稽古会ってなんだ?⁈〜新しいワークショップの試み

group of people standing inside room

・ワークショップってなんだ? 前編
・ワークショップってなんだ? 後編

Seeker
Seeker

前回までの記事でワークショップに
行ってみたんですが・・・
他にも何かあるんですよね?

Master
Master

そうですね。こんな会が開催されている
ので、主催の方にお話しを聞いてみましょう。

○「ワークショップ」ではなく「稽古会

以前の記事でもお伝えしていますが「ワークショップ」は、芝居の知識を得たり、体験したりするものというです。私が主催している「稽古会」にも同じ側面もあります。 しかし、単発企画のワークショップでは、1つの事柄について行うものやカリキュラムの紹介等を行う物が多いように私は思っていました。(連続企画で最終的に「公演」まで体験するワークショップもありますが、時間とお金がかかりますね)

○「稽古会」とは何か

それに対し「稽古会」では「1つの作品を作り上演する」ということを主眼に実施しています。
ですので、 芝居の1パートを学ぶとういうより、短時間という制限の元でも見ず知らずの人と「一つの作品」を作るということが体験でき、作品の完成まで行う上での実践的な技術までを学ぶことが出来ます。

普通、演劇公演をするには多くの時間と労力を必要とします。 とりわけ拘束期間が長く、稽古と本番を合わせると(小劇場演劇の場合でも)2ヶ月間続いたりもします。そんな長期間拘束の「稽古」「上演」「本番」をすることは、二足のわらじの一般社会人にとってかなり難しいことです。しかし、「稽古会」は、その当日に来れば稽古も本番も行います。

でずか、限られた時間・初見の人たちと言う状況下で「シーン(場面)」を作っていくのは簡単なことではありません。
 例えば、当日渡された台本に短時間で覚えなきゃいけない踊りの振りを全て組み上げる作業(稽古)、そこにも色々な知識や要素、技術やスキルがあります。結果、経験値としてオーディションなどの訓練にもなります。

もちろん何ヶ月も稽古を積み重ねた「作品」との「完成度」の差は違うでしょう。ですが、それを参加者(観劇者含む)が理解した上で、短時間でできるベストを目指す時に、だからこそ生まれる「一つの作品」それもまた意義のあることだと考えます。

上記のことから「本番」の定義や重さはまちまちですが、演劇を楽しく遊ぶのであればごっこ遊びの延長のようなことでいいのだと思っているので「本番」という言葉を用いています。

自分という俳優はそれぞれの経験をどう扱い、稽古場の人間としてどう組み上げていくのか。
そこを体験してもらうこと、演劇を楽しんでもらうことに重きをおいています。

 ○「稽古会」未経験者でも参加OK

稽古会」は、一日だけの短時間ですから「できない」が前提です。踊りの振りを覚えるどころか、身体が機敏に動かないし、振りが頭に入らない。台詞を覚えるどころか、順序よく台詞を言うだけでもたいへん。

そんな方の参加でも問題はありません。何故なら、私は先ほども述べたように「体験すること」が大事だから。
踊り手さんも演じ手さんも、振りや台詞を闇雲に覚えて繰り返しているわけではありません。そこには何かしらの「表現したいこと」があるはずです。そこを見つけたり探ったり相手役や観ている人と共有したりします。

「そんなの難しい!」「できない!」と現場で言われたりもしますが、そこは「稽古会」ですから、トライ&エラーを繰り返し、できない時には出来る事に変えて、同じように「表現したいことを」伝える手段を探していきます。
未経験な方も短時間でのスピード感で、経験者や俳優達に囲まれ同じように体験します。そこには、経験者や俳優達も未経験者の方と、どう関わっていくのかを体験していきます。(未経験でも小劇場に出られる風土があるぶん、ナイーブな体験になりがちなのでそこも稽古していきます)

○「ワークショップ」と違った「稽古会」の特徴

少し変っている点は、稽古中(特に振り付け稽古)に「座長」が決まります。
我々の会では、振り付け時に「表現したいこと」は「小劇場のカーテンコール風」なので、踊りの最中に座長挨拶、最後に全員でお辞儀してハケる(退場する)。ということを行っています。

ですので、振り付け担当者が踊りの稽古中に座長を決めます。(挨拶内容は、大筋で決まっていますが、劇団名などは即興で考え出してもらっています。)
また、配役に関しては、芝居パートの稽古後に決めています。普通の芝居の場合には、配役が決まってからの稽古が通常ですが、この「稽古会」では、踊りやそれまでの立ち振る舞いなどを見て、配役を決定・発表しています。

 ○ 関わる人すべてが「参加者」

ワークショップでは、基本的に出演や何か1つのセクションを学びます。

ですが「稽古会」は「運営」「芝居」「踊り」「裏方」「サポーター」「観劇者」「見学」そのすべてに参加される方々を「参加者」と呼び、参加されたその日1日をすべてのセクションから体験する事が出来ます。 大なり小なり、自分に役割があるというのは楽しいことです。演劇に関わること事態が楽しい事です。たとえそれが「観劇者」だとしても「作った作品を観てもらう環境」、「楽しませる人」「楽しむ人」を作っています。
 この関係を作ることで「本番」という環境が成立すると考えています。「参加者」全員がどの様な立場でも、あたえられた「キャラクター」として空間を作っていくことが、面白い事だと感じてもらいたいと考えています。

〇「稽古会」のながれ

タイムテーブルとしては、下記のような感じになります。例

  • 13:00 集合  
  • 13:30 全体で企画の説明・自己紹介
  • 自己紹介終了後 振り付け
  • 休憩
  • 16:00 配役・芝居稽古
  • ゲネ準備(スタッフ打合せ・客入れ)
  • ゲネ
  • 18:30 本番(初日・中日・千穐楽)
  • 企画終わりの挨拶
  • 19:30 解散・退出

この様な感じのスケジュールを当日集まった「参加者」で行います。役割は「運営」「芝居」「踊り」「裏方」「サポーター」「観劇者」「見学」のセクションに別れ、希望するセクションについてもらいます。(芝居出演のみ制限有り)

さらには途中参加・退室OK、台本は、当日朝データ配布、稽古場にて紙台本配布。
 
こんな「稽古会」を開催しております。
ご興味ある方は、九十九悠のXアカウントをご覧ください。

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