照明器具の落下事故と安全対策

事故の発生

先日(9月26日)、都内のレンタルハウスで撮影を行っていた際に照明器具が落下し、出演者2名が負傷する事故があった。

テレビと映画と舞台。同じ照明という仕事ながら全くと言っていいほど違う世界ですが、スタッフという立場で言えば、1番起きてほしくない事が起きてしまったと言える。
報道だけでは実際の状況がわからないので断定は避けますが、1つだけ明確なことは、エンタメの世界で使われる照明器具には、落下しないようにする安全対策は必ず取られている。

仕込む場所

通常、スタジオや舞台でさえ、出演者や観客の上に鈴なりの灯体が仕込まれています。
舞台と同様に、撮影スタジオでも昇降するバトンや固定されて昇降しないバトンに照明器具を仕込むことになります。

 

本来、しっかりとしたSusバトンなので照明灯具の落下防止ワイヤーを掛けていれば、照明が落下するといった事故にはならない。(例外はあります)
しかし、今回の現場の様に専用の施設(スタジオや劇場)ではない場合には・・・

仕込み方

いわゆる写真のように「仮設仕込み」になってしまうと思う。専用の吊り場所が無いのだから、自前で建てたり「突っ張り棒」のような物で照明を仕込める場所を作る必要がある。

 

問題点

照明灯具自体には、吊り込んでいるバトンから落下しないように落下防止ワイヤーが付いており、灯具自体に不測の事態が起きても落下しないようにはなっているが、前記の通りスタンドや突っ張り棒などの仮設設備に仕込む場合、安全対策上の落下防止のワイヤーなどを掛けている先のスタンドや突っ張り棒自体が転倒・落下した場合は、照明モロとも落下してしまう。

 結果的には、今回の報道のように「照明の落下」もしくは「照明の転倒」となる。(今回の事故では、小道具としての照明セットの落下かもしれない) 詳細は分からないので明言してはいけないが、今回の事故ではそのセイフティが足らなかったのは事実だと思う。

時間や場所、機材など色々な制約がある中でも、安全に安全を重ねる対策は常に必要だと言える。
が、一小屋付きの立場としても、セイフティのセイフティに、セイフティをした先のセイフティ・・・と
何処までやるのが良いのか判断に悩む時もある。

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