君なら出来る?!大道具製作④ 絵の具の話

unrecognizable workman installing digital screen on stage

【大道具の絵の具の話】

パネルの作り方までできたら、次はパネルに絵を描くとか絵の具のお話です。
泥絵の具(照明の反射が少ない)がキレイとか一般的とかいうお話もありますが、大道具会社の俳優座でも使用している「ネオカラー」で進めます。水性ポスターカラー的な絵の具で、使い勝手は良いのですが、お値段が高く調色(色の混ぜ方)や濃度の使い分けが難しいかも知れません。

プロの場合は指定の色味にするために、混ぜる割合をきちんと計量して作っていきます。
色の作り方は「三原色」での作り方を参考にして皆さんも試してみてください。
慣れてくると似たような色を比べても「赤みが強い」「少し青い」とか色覚が敏感になってきます。

【ベニヤ塗りの絵の具の使い方】

大道具を作ったり塗装する時は、画用紙や模造紙に絵を描く時とは比べ物にならない程の広い範囲を塗装しますので、絵の具の量も心配になるかと思います。だからと言って、絵の具缶そのまま塗ると…大変な事になるます。

そこで大道具塗りのコツは
  1. 絵の具は、水で薄める
  2. 何度かに分けて重ね塗りをする
【ベニヤ塗りのコツ】

この二つを意識して心がければ、絵の具を使わない(余りがちになる)と思います。水を混ぜる量も、絵の具の量に対してコップ一杯分とか測っておくと、不足時にすぐに作れます。
薄める度合いですが、かなりサラサラになるくらいに薄めても乾くと赤や青が出ます。
発色が足りなければ、重ね塗りしていきます。

 

ホントにこんなに薄めて良いのか心配になりますが、乾くと大丈夫!
遠くから離れて見てみてください!

背景画など遠近感をつけたい時は 舞台前方は濃く、後方(遠方)は薄く塗ります。

しっかりした輪郭を出したいモノは 絵の具をあまり薄めずに塗っていきます。(筆が滑りやすい程度に薄める)

ここでのコツは「塗ったばかりと乾いた時で色が違って見える」コトを考慮するということです。
色の変化については、少し経験が必要になるかも知れませんので、絵の具を買ってすぐにベニヤ塗り作業に入らずに、一定の絵の具量に対して、薄める水の量を25%・50%・75%など、バケツなどを分けて一度実験出来ると良いのかなぁと思います。

【ベニヤの色が違って、塗った色が…】

舞台セットのベースとなるベニヤ板の色味が違う場合、同じ塗料を塗っても違って見えるコトがあります。
そこでベニヤの色味を揃えるために「経師紙(きょうじがみ)」といって薄い紙を糊を貼って色味を揃え、その上から絵を描く事もあります。(大道具会社には、経師の職人さんがいますので、均一な塗りができます)
 
ただこれは想像以上に「手間と時間とお金」がかかるので、極力色を揃えたい場合には色を塗る前のベニヤ板が同じ色味のモノを揃えることに気をつけた方が手軽で良いかと思います。
もしくは、色を塗る前のベニヤ板に薄めた白とかベージュなどを下地として塗った上に描いて行く方法もあります。この一手間でその後の鉛筆の下絵がわかりやすくなりますので、ベニヤに直塗りよりは良いかもしれません。

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