演出部の仕事は構成メンバーや持ち場、人数によって大きく異なるので一概に「こうだ!」とは言えませんが、ご参考までに、舞台監督と1,2名の少人数演出部という設定でお話を進めます。
ちなみに商業演劇や大型のコンサートだと舞台監督とキュー出し係、その他に大道具担当、出演者担当、小道具担当、衣裳担当…のように10名規模で動くことがあります。

まずは稽古場での演出部の一日です。
演出部の一日 (稽古場)この通りとは限りません。あくまでも1例です
9:00 通勤
10:00 買い出し
11:00 稽古場入り
掃除・作り物・手配関係など作業
12:00 打合せ確認(舞台監督による)
12:30 稽古準備 開場
13:00 稽古開始
16:00 休憩 と直し 次の稽古準備(運が良ければ食事)
17:00 稽古再開
20:00 稽古終了 ダメ出し/直し作業
21:00 片付け 残作業チェック
22:00 稽古場撤収
状況によっては深夜遅くまで、小道具を作ったり、ドンキホーテのようなお店に買い出しに行くこともあります。
みんなが休憩していても飯を食う時間もない… 気が付けば一日1食…そんなこともよくあります。
(でも体重減らない不思議)
さて、次は公演期間中の流れです。
公演が落ち着けばもう少しラクになりますが、1週間程度での公演だとこんな感じです。
演出部の一日 (公演中)
9:00 通勤
10:00 (あれば消え物の買出しなど)
11:00 劇場入り・掃除
場当たり(演出家による)
12:00 プリセット(開演準備)
12:30 開場
13:00 昼公演開演
15:30 終演
16:00 夜公演準備
17:00 休憩
18:30 夜公演開演
21:00 終演 片付け
22:00 劇場撤収
演出部の仕事内容を書き出してみました。正直「何でも屋」「パシリ」「御用聞き」みたいな言葉が当てはまりますが、経験を重ねるほど他ではマネの出来ない職能になっていきます。
- 1 演出から指示が出たモノの調整・購入・作成・依頼手配
- 2 稽古中、休憩や稽古再開時間・場所の連携演出部内制作で分担
- 3 図面に関する整理 転換などの調整・操作
バミリの設置・確認 - 4 台本上の整理 ①その日の稽古内容の確認と変更修正
②自分の持ち場の動きのまとめ
③香盤表などの資料作成 - 5 衣裳、履物、被り物の計測→プランナーとの確認→作成及び依頼指示
- 6 演者からの要望などへの対応 小道具の改良・転換の安全性など
- 7 早替えなどの段取り・時間実測
- 8 稽古場道具・本番大道具の安全性確認(舞台床のささくれなども含む)
- 9 役割分担の確認 本番付きや交代要員を考慮
稽古期間中と公演中の大まかな作業内容と時間の使い方を紹介してみました。スタッフの中ではキャストと一番接する機会が多い仕事ですので、商業演劇だといろいろな芸能人と知り合えますが、それがどうでも良くなるくらいに忙しい仕事でもあります。
また、一番大事な仕事「掃除・片付け」をあえて書きませんでしたが、当たり前の作業でありつつ、多くの現場の人間の信頼を集める作業だと思いますので、他が多少おろそかになっても「掃除・片付け」だけはしっかりと…(問題の残りそうな発言で締めます…)