電球とライフ時間

selective focus photography of turned on light bulb

うちの編集者から「電球のライフ時間(定格寿命・電球時間)」について簡単に説明出来ませんか?
演劇人にLEDは無限と思っている人が居るらしいので・・・
とお題を頂きまして、今回はこれを「電球とライフ時間」について・・・

全ての始まりは、この東芝のCMかもしれません。10年神話ないし無限神話に繋がるLED最強が定着した理由は、このCMにもあると思います。

実際、このCMの流れたLED登場当時は、10年程度使い続けれる程のライフ時間があると言われていました。
ですがその時点では、実際に10年使った企業も人も居なかったんです。「10年は」あくまでも計算上の数字(LEDをずつと点灯させ続けて全光束(ルーメン)が点灯初めを100%とした時に70%まで弱まる迄にかかる時間)だったのです。
このCMから約10年経過して、最近はLEDのライフ時間について当時とは徐々に変化してきています。

発売当初は、10年保証など付けた電球も発売されていましたが、現在では保証は5年程度しか付けていません。
これはLED部分(光源部分)の劣化よりも、LEDを光らせる為のドライバー部分(電源部)を構成するパーツの劣化が10年持たない場合が多く出ているからです。また、メーカーも10年電球を交換して貰えないのでは、電球が売れず会社が成り立たなくなります。その辺りを考慮して最近は5年保証としたり、明るさや電球の大きさ、熱に対する耐性など進歩進化させる事や、価格面でも比較的入手しやすい価格にする事で寿命前でも交換を促す様にしています。
それでも通常のタングステン球のライフ時間(数十時間〜1000時間程度)を考えれば、無限(約4万〜5万時間)と言っても良い程のライフ時間です。

と、ここまでは一般家庭向けのLEDの話です。
舞台・スタジオ向けのLEDの進化は、まだまだ使用する照明の全てがLEDになる程には至っていません。
ですが、ヨーロッパでは、既にハロゲン球の新規販売が全面的に禁止にする法律が2018年9月1日に施行されており、映画・演劇関連の団体が2020年まで延命願い(猶予願い)を出したりしていました。ですがその延長期限も過ぎた現在イギリスやヨーロッパEUの劇場では、ハロゲン電球は使えなくなって行きます。

コロナ禍の米ブロードウェイも英ウエストエンドでは、ロックダウンで一年以上公演が出来ていない状態が続きエンタメ業界自体に経済的体力が疲弊している中で、消して安価ではないLED機材が何処まで普及するか・・・
日本とは違い、ロングラン公演の全ての劇場の機材は、全てレンタル機材で購入する訳ではないが、レンタルメーカーが何処までLED機材を準備出来るのか?
ここ2〜3年の海外メーカーの動向から目が離せない状況が続くと思います。