劇場の入口は主に2つあり、2つしかありません。

「お客様用(不特定多数の方々が使う入口)」と「関係者用(出演者や関連スタッフが使う入口)(搬入口もこれ)」です。何故分けてあるかというとセキュリティの問題です。
部外者が舞台裏に入ってくると良い事はないですよね?逆にお客様の全ての個人情報を把握することもできません。ですから入口を分けて確認をしている訳です。また、お客様用入口(モギリ)では、観劇権利(チケット)を持っているかどうかを確認し、お客様なのか通りすがりの人[権利を持たない人]なのかを確認しているのです。
観劇権利つまり「チケット」がないと客席には入れませんよね?当然のごとく管理確認をしています。そこを崩すと誰でも客席に入って観劇ができてしまいます。(大きなイベントなどで、そういう演目もありますが・・・)
上記のように各入口が存在する理由は理解ができるかと思います。
では劇場のスタッフは何をみているのか?

お客様が関係者用の入口を使う際には確認をしてお断りをします、当然ですよね?「出演者のファンです!」で楽屋に行くことはできないし、舞台裏の仕掛けに興味があるからという理由で舞台裏を見せるわけにはいきません。では…逆はどうでしょうか?つまり…
「関係者がお客様用の入口を使う時です。」
お客様を対応している際には基本的にチケットの有無で入場の確認をしています。関係者は関係者用の入口を使うのですからお客様用の入口を使う必要はないですよね。
が、しかし関係者は関係者という理由で出入りをしようとします。 …ちょっと待った!
他の人からすれば関係者も人でありどんな格好であれただの人です。
お客様からすれば「あの人が自由に出入りできるなら私もできる」と思うものです。ですが、もちろん自由に出入りはできません。

ですから「スタッフパス・関係者証明書」が必要となるわけです。
そんなに難しいことではありません、どこの会社や施設でもしていることです。
重要なのは関係者が関係者だと証明されていることが「お客様用入口」担当者やお客様にもわかるようにすることです。
で、これが何故問題なのかというと。
「誰でも関係者と言えば自由に出入りができる」と不審者が目をつけたらどうなるでしょうか?
出演者に近づいたりタダで観劇をしようとする事例は案外あります。残念ながら世の中にはそういう人が存在するのです。
不審者はそんな「関係者が適切な対応をしていないポイントに着目して」潜入するのです。
各入口の担当者は上記の意味合いからセキュリティの役割を担い、部外者や観劇権利を持たない人がいないかチェックをしているわけです。 (公演に関わる全てに人を安全安心に守る為の大きな砦の1つなのです)
その担当者に「自分の身元を証明する」のは公演運営として当然のセキュリティ貢献なわけです。(関係者は公演を安心安全に運営をしたいわけですものね)
ですが結果的に「関係者が自由に出入りすること」で不審者の行動をある程度促してしまう結果となります。
蛇足ですが。
団体が大きくなればなるほどこの手のセキュリティが甘くなります。
理由は幾つかありますがその多くは自分の仕事をしていればよい感だと思っています。どんな関係者であれ仕事でそこにいるので自分の仕事をします。顔見知りも増えていきます。
しかし不特定多数の方が毎日来るというのは変わりませんし、そんな場では自分も他者からすれば不特定多数の一部であるということを認識していないのです。(関係者だって多くなります)
かなり特殊な環境ですが事実ですし主催者や興行主はそれに関しもっと理解を深めるほうが良いかと思います。
「顔PASS」に憧れる人は多いですが残念ながらそれは間違いです。
しっかり挨拶をし、しっかり証明書を提示してしっかり把握してもらうことが大事なのです。 (ちなみに今の時代は、関係者パスなども作れる時代ですので関係者方はしっかりと対応してください)