舞台関連の団体について質問がありました。

匿名
匿名

照明家協会って、どんな組織なんですか?

私自身、照明という職業柄一応「日本照明家協会」に所属しております。協会員ではありますが、直接協会との関係が無いのでどこまで説明出来るか微妙ですが、分かる範囲で説明出来たらと思います。まず、照明家協会については協会のサイトに以下の様な説明がありました。

昭和31年10月、当時舞台照明の仕事に携わる者たちが集まって、照明家の技術向上社会的地位の確立を図り、併せて相互の親睦を密にすることを目的として東京に舞台照明家協会を、続いて大阪に関西舞台照明家協会を、名古屋に中部舞台照明家協会をそれぞれ設立いたしました。
 その後、各協会は相互に連絡をもちつつ独自の活動を続け、テレビジョンの普及に伴い、各称をそれぞれ、舞台テレビ照明家協会と改め、昭和37年には、三協会が日本照明家協議会を結成して、実質的には全国一体の照明家団体として活動を続け、所期の目的に近い実績を挙げて参りました。

日本照明家協会 協会の成り立ち より

照明家協会の活動の一つで、技術向上として技能認定が行われており、私もその昔の専門学生時代に「照明家認定2級」の試験を受けて取得しましたし、学校卒業後に会社に入ってからしばらくして「照明家認定1級」を取得しました。
2級の受講資格は「舞台またはテレビジョンの照明実務経験が1年以上ある方が対象」1級は「2級取得後3年以上を経過した方、または照明実務経験が5年以上ある方が対象」となっていますが、有資格者の推薦(実務期間の確認として)や指定学校だと授業実習時間を相当として受験資格になったと思っていましたが、今はもう少し緩くなっているようです。

「照明家認定1級」
1981年に制定された認定制度も時代に沿った更新を繰り返しながら30年を経過しました。一級技能認定取得者は「照明技術者として必要な知識を持ち、充分な経験と熟練した技能を有し、業務運用に照明設計を充分理解し、責任者として作業は円滑安全に進め得る者」とされチーフ教育の一環として中央講座を開催しております。
 中央講座の講義内容も知力・技術と芸術性との均衡を保ちながらのカリキュラムとなり、技能認定規程に基づき実施されています。3日間の講座受講終了後に「1級技能認定試験」が行われます。

照明家協会より

 「照明家認定2級」
舞台・テレビジョンにおける照明の芸術的役割は広く認められるようになりました。創作活動に係わる人達に照明の役割としての基礎技能について、公開講座を全国的に開催、広く門戸を開き、照明技術者を目指す方々に技術・知識の充実、向上と地域文化創作活動向上に寄与することを願って、照明実務経験1年以上の方を対象として、一般の方でも理解できる 教科書「舞台・テレビジョン照明 基礎編」を用いて、経験豊富な現役照明家などにより平易簡明な講義を通して知識基盤の強化を図り、地域文化の振興に寄与し我が国の文化芸術立国への基盤整備を願って実施されております。2日間の講座を受講後に2級試験が行われます。

照明家協会より

この認定資格ですが、その昔に諸先輩方は照明の資格を国家資格にまで上げたいと色々進められていましたが、未だに国家資格にはなっていません。唯一国家資格になっている舞台関連の資格に関しては、以下のサイトに詳細な説明と資格一覧のpdfがありますので、ご参考まで。
ホームメイト・リサーチ
日本芸能実演家団体協議会(pdf)

また、協会の直接的な業務ではないのですが、ちょうど近々行われる展示会(詳細はこちら)などに技術の向上や交流の一環として、後援になっていたりします。

そんな、協会ですが照明家一つをとってもテレビ・映画・舞台と業種によってちょっとずつ協会が違います。
一例を挙げると
◆照明家
  ・全国舞台テレビ照明事業協同組合
  ・日本照明家協会

◆音響家
  ・日本音響家協会
  ・日本舞台音響家協会

◆美術家
  ・日本舞台美術家協会
  ・テレビ日本美術家協会

◆舞台監督
  ・日本舞台監督協会
  ・日本コンサート舞台監督連絡会

とそれぞれの業種に各協会があるようです。最近はこんな協会の協会もあるようです。

質問を受けた私も「うーん」って思ってしまうくらい微妙なんです。各団体も絶対的に強いわけではないので、何個か同じ様な団体が林立することになります。

これが英語圏では 「IATSE」と呼ばれる団体があり、これはテレビ・舞台・映画のスタッフ・出演者が加盟する団体で労働組合になります。ここに登録されていないと舞台やテレビ、映画での仕事は出来ない位に力が強くて、最近では映画関連ですが、この「IATSE」がストライキを決めて、日本に宣伝為にトム・クルーズなどが来られなかったのは、記憶に新しいかと思います。

いずれは、これくらい協会の力が強くないと我々スタッフの労働環境は向上しないかもしれませんね。

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